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大手町ビジネスイノベーションインスティテュート(OBII) 様
ウェブサービスを作り出すための合宿を行い様々なサービスを生み出している大手町ビジネスイノベーションインスティテュート(以下 OBII)のメンバーでありブログ「ガ島通信」の運営者でもある藤代 裕之様、野崎 秀吾様、金子 浩一様に「困った.jp」を制作した経緯、OBIIの今後の活動、またこれから日本でのサイトのM&Aがどのように動いていくかを伺いました。
サイトストック)大手町ビジネスイノベーションインスティテュート(OBII)設立経緯を教えて下さい。
OBII)自分が普通に企業の中で働いていて感じたことが一番の理由だと思います。自分が働いている時、起業する人を横目で見ていると、自分は変化に対応出来ていないのではないか、もっと色々なことが出来るのではないかという不安、不満が出てきました。そういった中で、ブログができて、SNSができて、実際にこのような事を感じている人が集まることができるようになってきました。そのような人が集まって、文句を言っているばかりではなくて、なんか実際に面白い事をやってみよう、というのが始まりです。それでOBIIが立ち上がりました。OBIIでは合宿とミーティングの2つをメインにやってきていて、「困った.jp」が1つめの成果物になります。「困った.jp」を作ることによって我々が得ることができたこの成功体験を、色々な人に体験して欲しいと思っています。
今までは、とにかく作ってみようということで「困った.jp」の様なサービスを作っていたのですが、作り始めた時に決めていたことに、「所有しない」ということがありました。
今までのベンチャーは、サービスを作ったらそのサービスと一蓮托生、必死になってサービスを成長させなければいけないような感じがありましたが、人によって得意な分野があると思うのです。例えばサービスを立ち上げるのが得意な人も居れば、それを伸ばすのが得意な人も居ますし、巡航速度でサービスを進めるのが得意な人も居ます。
OBII)ものすごいパワーをぶつけて何かを作り上げる、その最初のダイヤの原石を磨いていくことをやったことは無い。けれども、「やれるのではないのか?」「やってみたいよな」という疑問を持つ人は結構居ると思うのです。そういう人たちにOBIIの様な場所を作って、参加してもらいパワーをぶつけてもらおうと。普通の仕事だったら無いのですが、OBIIでは後のリスクとかは目をつぶってとにかく前だけを見る。この部分に特化しています。
あまりに後の事を考えたり起業の事を大前提に考えたりすると、「これでいかにビジネスモデルを成り立たせるのか」、「成り立たせるために自分は何をするのか」、という風に「やりたい事」と「やれる事」が変わってきてしまいます。ですので、OBIIとしては、あくまでも「やりたい事」を前に出して動いています。その結果として実際にサービスが出てきていることがOBIIの意義だと思います。
OBIIをやり始めた頃は、面白いものを作っても作っただけでした。「困った.jp」も、「作ってみたら出来た。出来たから世の中に出してみた。結構反応が有った。」それで終わり。このような状態でそこから先が続かないのです。でも今回デジパのサイトストックというものが出来たときに「次に繋げてくれるものが出てくれた。」と思いました。我々が動くかもしれないと思って見切り発車で作ったものを、しっかりと取り扱ってくれるサービスが、アメリカだけではなくて日本でこのタイミングで出てきてくれたのは、我々としてもとても良いことですし、盛り上がってくれることを望んでいます。
望んでいますし応援もしていきたいです。自分たちの他にもこのような考えをもっている人が沢山いると思います。我々の様な人間が先に出てきてはいますが、「いや、あれよりもすごいことが出来る」と感じてらっしゃる方がきっといらっしゃると思いますので、どんどんそういう方々にもサイトストックを利用してもらって市場が盛り上げていけば、日本も楽しくなると思います。
サイトストック)ここ2年前くらいからウェブサイトの流れが変わったと思っています。というのも、あるジャンルにおいて、企業サイトよりも、個人サイトや法人ではない団体サイトの方が、人気があるという現象が起こっています。もう1つの現象として、企業がこういった人気のある個人サイトを買いたい、というニーズが出てきていることがあります。
サイトストックの1つの売りとしては、デジパがサイト制作や、デザイン、SEO、マンパワー、そして経営的部分、様々な面でのアドバイスを行い、個人ではこれ以上大きく出来ないものを、リソースを使うことによりサービスのインキュベーションを行っていきたい、ということが好きな会社であるところがあります。サイトストックのビジネスモデルとしては、サイト売買のお手伝いをさせていただくこと、サイトを買い取ってデジパ育成していくということ、そして今回の「困った.jp」のように、サイトはデジパで買い取らせて頂くのですが、サイトの運営自体は、サイトを作られた思い入れが強い方々にお任せする、というようなレベニュシェアを行うことがあります。
ちょうど「困った.jp」を売って頂けるお話を頂いたときに、サイトストック、デジパが目指しているビジョン、理念と非常に一致している部分が大きいと思っています。
OBII)本当にイグジットが無い状態でスタートした所に、このようなありがたいお話が出てきて、我々としても、何事でも続けてみること、やってみることが大事だな、と感動しています。
やはりデジパだからこそサイトストックが出来たのだと思っています。サイトを育成していくという概念が元々好きでいらっしゃるからこそ、こういうサービス、場が作れるのだと思います。世の中のもっと多くの人にサイトストックを使って貰えればもっと良さが広がると思います。
サイトを作るのは個人でも出来ることですが、事業ドメインまで持って行くというのは個人ではなかなか難しいことだと思います。そこでノウハウを持っている所から支援を受けることが出来るのは良いサービスだと思います。我々も現在は「困った.jp」を作ったように、アーリーに特化してはいますが、将来的にはOBIIもインキュベーションのプラットフォームに成ることができればなと思っています。
アイデアとサイトの原型部分はOBIIが持って行って、その後のサービスを伸ばすという部分では、サイトストックの様なサービスを利用する。さらにその後はそのサービスを買ってくれる人が出てくる。このようにずっと成長曲線を描いていけるようなサービスがイメージしやすくなったと思います。
今までだと、会社を作る際にある種の決意が必要だったと思うのですが、その決意、壁を低くすることによって、何かを思いつく段階で止まっていた人がより実際にそのアイデアからもの作り出す、ということがやりやすくなると思います。
サイトストック)最近問い合わせのあった案件でも、サイトを2人で運営されている方がいらっしゃって、もう運営が限界に来ているからサイトを売りたい、というものがありました。経営面や運営者育成などの人材教育等を自分たちは行うことが出来ないから、経営面や事業の進め方など、そういったことを教えて欲しい、と仰っていました。デジパとしてはそういった面の話は得意で、ここをこうすればいい、といったことをすぐにイメージすることができます。現状のサービスで足りないものを補い、その結果成功しているサイトのことを瞬時に想像することができます。そういったところでサポートをすることが出来れば良いなと思います。
このようなケースを沢山つくることによって、日本の閉鎖的だった起業イメージをもっと開放的にしていきたいですね。
OBII)ポジティブなサイトのM&Aができれば良いですよね。現実でもM&Aと言うと、経営が傾いているから、ただお金が欲しいから等、何でもネガティブなイメージを持つ傾向があって、もっとサービスを大きくするためのブースターの様な、そういうポジティブな考えを持つ人が少ないがために、サイトのM&Aもネガティブなイメージを抱かれやすいのだと思います。ですが、これからはもっと前向きなM&Aがサイトでも広がっていけば良いと思います。