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面白法人カヤック 様

様々なサービスを世に送り続ける面白法人KAYAC(以下 カヤック)の代表取締役 柳澤様に、今後のカヤックの企業戦略、そしてサイトの売買とサイトストックに対して思うことについて伺いました。


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サイトストック)サイトストックを使う理由は何でしょうか?

カヤック 柳澤)カヤックのコンセプトには「つくり続けること」があります。会社自体が研究機関のようでもあり、サイトやサービスをつくっては辞める、という行為を繰り返しています。とにかくつくり続けているので、つくったサイトを辞めることなく有効活用できる「サイトストック」のようなサイト売買のサービスは、今回、そして今後も使っていきたいと思います。

サイトストック)実験的なものや、面白いものなど、様々なサイトを作っているカヤックさんですが、会社、サイトのイグジットはどこにあるのでしょうか?

カヤック 柳澤)安定した収益を確保できるサービスをつくっていきたいとは考えています。しかし、自社だけで運営し続けていくのが難しくなることもありますから、その場合には、もっと伸ばしていただける方に売却するのも選択肢のひとつだと考えています。すべてのサイトを何が何でも売ろうと考えているわけではありませんが、いずれは手放すことを想定して最初からつくるサイトはありますね。

サイトストック)カヤックさん自身よりも、昔からその業界の仕事をやってらっしゃるレガシーな企業にサイトを任せた方が、シナジー効果が生み出されやすい、というケースも多いと思うのですが。

カヤック 柳澤)そういうものもあると思います。僕らが自社サービスをつくるときには、その時に流行しているサービスにこんな機能があったらよいなと思い、勝手に作ってあげることもありますから。それを買ってくれるかどうかはわかりませんが(笑)。そういう発想でサイトをつくっていきシナジーを生み出せればよいのではないかと思っています。

サイトストック)カヤックさんは面白法人として有名なのですが、サービスを作るときに、このサービスはこういう収益モデルになるだろう、ということは考えてらっしゃるのでしょうか

カヤック 柳澤)考えるようにはしていますよ。でも気づいたら考えていなかったということが多いです(笑)ただ必ずリサーチはして、既に似たようなサービスがあるものはつくらないようにしています。その結果、必然的にマニアックなものができあがり、収益はどうなっているの? という結果になることは多いですね。その辺のバランスが難しいです。僕たちは「何かしらの価値に転換していこう」ということを常にみんなで意識して、サービスをつくっています。「転んでもタダじゃ起きない」というわけではないですが、それに近い意識を持っています。
他がすでに作っているサービスをつくり、それでいて収益にもならなかったら、本当に意味がありません。これまでにはないもので、周りの人から少しでも「おもしろいね」と言ってもらえるものであれば、今すぐにではなくても、収益に限らず、何らかの部分で価値がついてくると考えています。他にはできない、カヤックだからできるものをつくるように心がけています。
 
世の中の役に立つようなサービスであれば、必ず何かしらの対価をいただけると信じています。それは、お金ではなく、「作ってくれてありがとう」というような感謝の声かもしれません。そのようなことでも、作り手にとっては十分な価値になると思います。

サイトストック)最近、77のサービスを作るという、すごいページを見たのですが。

カヤック 柳澤)そうですね、あの打ち出し方は我ながらすごいと思います(笑)今年カヤックが3年目ということで、志願した社員でチームを組んでサービスをつくることになりました。11人集まったのでBM11(ブッコミイレブン)という名前を。カヤックの経営理念は「つくり続ける」ですから、数で勝負してみようということになりました。まず、前人未踏の、1ヶ月に7個のサービス、年間を通して77個つくることに挑戦してみたいと思います。全部がすごいクオリティのものにはならないかもしれませんが、その中にアイデアがキラリと光るものや、技術的に新しいものなど、今後芽が出てきそうなものがあったら来年以降に伸ばしていきたいと思いますね。

サイトストック)作ったものを売る、ということが増えるのではないかと思っているのですが、どのように思いますか

カヤック 柳澤)そうですね。会社を売る、事業を売る、別会社化する、サービスを売る、これを目的のひとつとする企業は増えるのではないかと思います。

サイトストック)アメリカを見るとGoogleなどがサイトを買収する、ということをやっていますが、日本ではあまり行われていませんよね

カヤック 柳澤)売る側は自分ひとりではこれ以上伸びないものをもっと伸ばしてくれるところに渡して代金を受け取る、そして、買う側にもそれを得ることでメリットがあり「高い買い物」とならなければ、双方がハッピーになれますよね。そういう売り買いをする時にサイトストックさんのように、間に立って、ある程度コントロールをしてくれるサービスは今後、必要とされていくのではないかと思います。

サイトストック)最近は、売ってお終いではなくて、買い手が運営を売り手にやってほしいですとか、1年間運営のノウハウをトランスファーしてほしいですとか、そういった動きも増えるのでは無いかと思います。

カヤック 柳澤)そうですね。買い手のそういう動きは有ると思います。例えばIPOの目的が、上場してお金を集めたいとか、社会的に公の企業に成りたいとか、いろいろあるのと同じように、売り手にも、やってきて少し大変だからどこかに買ってもらうにあたってできるだけ高く精算したいというところもあれば、夢をもって自分たちではここまで成長させることができたけれども、もっと自分が生み出したものを大きく広げられるかを試してみたいから売るというところもあると思うのです。後者の場合には、サイトを売って育ってくれたらそれはとてもハッピーなことなので、そのような買い手からのオファーは喜んで受け入れるでしょうね。
運営するデジパさん自身がサイトを育てるというスタンスを持っていらっしゃるので、サイトストックはサイトを売るにあたって良いサービスだと思います。